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五丁歩遺跡出土品


 塩沢地区の五丁歩遺跡は、魚野川右岸の段丘上にある縄文時代中期前半(約5,000年前)の環状(かんじょう)集落の跡です。この遺跡から出土した土器の多くは、文様などの特長が長野県や群馬県山間部のものと似ており、県内の他の遺跡の土器文様と大きく異なっています。  このことから、県内の海岸部や平野部よりも、長野、群馬と密接な交流があったことが分かります。また、板状(ばんじょう)石器と呼ばれる扁平な石器が、県内では他に例がないほど多く出土しています。このことから、この遺跡では、植物せんいの加工などが集中的に行われていたことが考えられます。

指定:県
種別:有形文化財(考古資料)
員数:一括 (1,394点
時代:縄文時代中期
所有者・管理者:新潟県教育委員会(新潟県埋蔵文化財センター)
指定年月日:平成13年3月23日

詳しい解説

 五丁歩遺跡は、飯士山の北東緩斜面の端部にあり、眼下には魚野川を臨む。縄文時代中期前半を中心に営まれた外径約60mの環状集落である。  集落の構成は、あわせて59基の長方形住居と楕円形竪穴住居が環状に巡り、内側には墓と考えられる土坑群があり、中央は広場となる典型的な環状集落構造を示す。  出土品のうち、縄文土器の様相は当該期の魚野川・信濃川流域の他遺跡と大きく異なっている。当該期の流域の他遺跡では、中期の土器の代表とも呼ばれる火焔式土器様式(在地系土器)の文様や、福島県地方との関連がある大木式土器の文様要素が多く取り入れられている。しかし、本遺跡では長野県や群馬県山間部の遺跡出土の土器と文様などが類似したものが多く出土している。本遺跡の土器様相からみると、県内の平野部や海岸部との交流は稀薄で、群馬県や長野県を中心とした山間部、いわば上信地方との活発な交流の深さを知ることができる。さらに土器を観察すると、関東系・上信地方系などの文様要素はうかがえるものの、本遺跡独特の文様構成をなすものが多い。当時の人々は各地との交流を保ちながら、この地域独特の文様を築き上げたものと理解される。石器の組成も他遺跡と異なった様相が見られる。特に板状石器や砥石、打製石器や磨石は石器組成で比率が高く特徴的である。このうち出土量の多さから注目される板状石器の用途は、植物繊維の加工具の可能性も指摘されている。このように本遺跡の出土遺物は特徴ある内容を持ち、本県の縄文文化を知る上で極めて重要な資料である。

所在地

JR信越本線 古津駅から徒歩25分

備考

 土・日曜日、休日、12月28日~1月3日は休館

問い合わせ先

新潟市文化スポーツ部歴史文化課
〒951-8550  新潟市中央区学校町通一番町602-1
TEL:025-228-1000   FAX:025-230-0412
rekishi@city.niigata.lg.jp

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