おぎのじょうやまのじゅそう
小木の城山は、標高345メートルの西山丘陵の中央部にあります。頂上部にある扇形のケヤキ林は、古くから漁船が自分の位置を確認するための「オヤ山」として現在まで大切に守られてきています。この樹叢(じゅそう)は、落葉広葉樹のケヤキ、アカイタヤ、ヤマトアオダモなどからなっています。特にまとまったケヤキの群落は、県内の代表的なものです。その他、ヤマモミジ、エゾエノキ、チドリノキなどがあり、小木ノ城山全域で557種ある植物の内、この樹叢に293種があります。県内の海岸沿いの丘陵地に残る落葉広葉樹の自然林として貴重なものです。
指定:県
種別:記念物(天然記念物)
所有者・管理者:出雲崎町ほか
指定年月日:平成4年3月27日
詳しい解説
小木ノ城山は、標高345メートルの西山丘陵の中央部に位置し、頂上付近にはNTT等の施設もある。頂上付近には、南北朝時代小国氏の一族と伝える荻(小木氏)が初めて城を築き「繋ぎの城」としていた。その後、天文年間には上杉氏の将松本河内守が城主となり、上杉景勝の会津移封により廃城となった。 小木ノ城山には、城主松本氏の守護神として熊野神社が祀られ社地として残っていたが、明治44年合祀され白野神社となり昭和47年、神社地は出雲崎町に寄付された。 頂上部の扇形のケヤキ林は、古くから漁業従事者の船の位置を確認するための「オヤ山」として重要で現在も大切に守られている。 本樹叢は、落葉広葉樹で構成され、ケヤキ・アカイタヤ・ヤマトアオダモ等多種類の樹木を混生しており、特にまとまったケヤキの群落は、県内の代表的なものと考えられる。 樹木の高木本数はケヤキが最も多く(79本)、ついでアカイタヤ(23本)等である。大径木はケヤキの胸高周囲558センチメートルのものや、アカイタヤに380センチメートルのものがある。ほかに日本海側に分布するヤマモミジは普通低木状であるが、ここでは径も大きく樹高も高いものが多い。 さらに、県内中央部では稀なエゾエノキ・北部で稀なチドリノキが分布している。 植物相は小木ノ城山全域557種の内、樹叢には293種が分布しており、南方系のベニシダ・シロタモや日本海要素のコシノカンアオイ・コシジシモツケソウ等が生育しており、県北では稀なキオン等分布上特色ある植物が見られる。 県内の海岸沿いの丘陵地に残る落葉広葉樹の自然林として小木ノ城山の樹叢は代表的なもので貴重である。
所在地
出雲崎町大字相田字横根1400番 面積 4,956㎡
JR越後線 出雲崎駅から車で25分
問い合わせ先
出雲崎町教育委員会
〒949-4342 出雲崎町大字米田281-1
TEL:0258-78-2250
FAX:0258-78-4559