小木半島中央部の丘陵地にこの遺跡があります。昭和41年から数度にわたって発掘調査が行われました。その結果、火焔形(かえんがた)土器(中越地方の信濃川流域で見られる)や東北、関東、北陸、中部系の土器、糸魚川のヒスイ、長野県の黒耀石(こくようせき)などが出土し、縄文時代中期に佐渡と本土との交流があり、海上交通が発達していたことが分かりました。 出土品は、小木地区の佐渡考古資料館に展示されています。
指定:国
種別:記念物(史跡)
時代:縄文時代中期
所有者・管理者:佐渡市(小木地区)
指定年月日:昭和59年7月21日
詳しい解説
この遺跡は、佐渡南端の小木半島中央部、標高175メートルの高位段丘面の九つの沢頭が集まる頂部に立地し、広さは10,000平方メートルある。昭和41年から3か年、55年から4か年国学院大学が発掘調査した。 縄文時代前期末葉から中期初頭の集落跡は遺跡の南半部、中期中葉から後葉の集落跡は北半部と時代により立地が異なる。住居は10基ほど検出された。楕円形のものが主で地炉、埋甕炉、石囲炉を伴い、埋甕、配石を持つものもある。配石遺構群が中央部と南西部にあるが、完掘していない。 土器は長者ヶ平式土器として細分するが、前期末は十三菩提式、朝日下層式などが優越する。中期前葉は北陸系の新保式から新崎式で信州系が混じる。中葉は馬高式が主体で、関東の加曾利E1式が入り込む。後葉になると佐渡独自の藤塚式が大木式の浅鉢を伴いながら支配し、後期の三宮貝塚式へと移行する。土偶の出土量の多さは島内で特異である。土製円盤、土製耳飾、獣面把手、立石、石棒、けつ状耳飾など信仰祭祀用具も出土した。 石器は調理具である石皿、磨石、敲石や狩猟具である石槍、石鏃や不定形のスクレーパーが多い。
問い合わせ先
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