この二面の能面は、どちらもかつら材で作られたと思われる老人の面です。白色尉(はくしょくじょう)は、豊かでふくらみのある顔つきで、目尻を下げて笑った表情です。ひげは無くなっていますが、あごの部分にひげを植えた12の穴があります。黒色尉(こくしょくじょう)は、あごが張り、鼻の穴を上向きにふくらませ、大きく口を開いて笑っている表情に特色があります。ひげを植えた穴は鼻の下に6、くちびるの下に3,あごに4あります。二つとも、江戸初期に作られたすぐれた作品です。
指定:県
種別:有形文化財(彫刻)
員数:1面
時代:江戸時代前期
所有者・管理者:牛尾神社
指定年月日:昭和56年3月27日
詳しい解説
白色尉は、豊かでふくらみのある輪郭と肉附けをもつもので、裏面はほぼ平滑に仕上げられ、黒漆をふいている。縁には生漆塗が残る。現在髭鬚を失っているが、顎に毛孔12が認められる。 黒色尉(3番叟)はあごが張り、下顎が長く尖る点や、鼻孔を上向きにふくらませ、大きく口を開く表情に特色があり、その彫法は明快で洗練度が高い。毛孔は鼻下に左右各3、下唇下に3、顎に4を認める。裏面は平滑であるが、横ノミ目がやや目立つ。 共に江戸初期、能面完成期を降らないころのすぐれた遺作といえよう。 本能面の伝来については、なお明らかではない。
所在地
佐渡汽船 両津港からバス15分 天王下下車徒歩5分
問い合わせ先
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