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木造  金剛力士立像


 この金剛力士像は、蓮華峰寺の山門に安置されています。阿形像(あぎょうぞう・口を開いた像)は、高さ2.08メートル、けやき材の寄木(よせぎ)づくりの像です。吽形像(うんぎょうぞう・口を結んだ像)は、高さ2.07メートル、けやき材で一木割矧(いちぼくわりびき・全体を二枚の材木を張り合わせる)づくりになっています。  二つの像とも上半身に比べ、首や腰の太さ、ひねりの強さはありますが、怒りの表情や筋骨の盛り上がりや衣服の起伏などは、控えめに表現されているため、おだやかで安定した感じがします。制作されたのは、鎌倉時代(14世紀前半ころ)と思われ、県下で数少ない古い時代の金剛力士像として価値の高いものです。

指定:県
種別:有形文化財(彫刻)
員数:2躯
時代:鎌倉時代後期
所有者・管理者:小比叡山蓮華峰寺
指定年月日:平成3年3月29日

詳しい解説

 佐渡の名刹で、多くの重要文化財・県指定有形文化財の建造物を有する蓮華峰寺山門に安置される木造金剛力士立像である。各像とも頭髪は髻を結び、下半身のみに折返し付の裳(裙)をまとう装いである。  阿形像は体をやや右に傾けて瞋恚・開口し、左手は金剛杵を構え、右手は伸下して掌を伏せ、腰を左に捻り右脚を開いて立つ。  吽形像は面をやや左に向けて口を閉じ、左手には持物(現在は亡失)を握り、右手は屈臂し掌を前にして竪て、腰を右に捻り左脚を開いて立つ。  両像とも上半身に比ベ、頸や腰の太さ、捻りの強さが目立つが忿恕相や筋骨の盛り上がり、裳の起伏等のさまがむしろ控え目に表現されているため、隠やかで安定した力の充実が感じられる。材質は両像とも欅材を用いているが、阿形像は、頭体幹部を一材から彫り頸後方の付根から背面を割り矧いで内刳りする古風な造りであり、吽形像は頭体幹部を通じ前後二材を矧ぎ合わせて造り、内刳りされている。共に、内刳りを完全に施してあり、 二像の制作技法の違いは注目されるものの、これは用材の大きさの制約から新旧両技法を併用したと考えられる。  両像のやや形式化のみられる技法から制作時期は鎌倉時代(14世紀前半頃)と推定され、蓮華峰寺に保存される建治2年(1276)の五智如来像の造像、元応2年(1320)の扁額の制作、貞和4年(1348)の骨堂の造立と続く、本寺整備興隆の一時期に造像されたものと考えられる。 なお、両像とも風化や損傷・補修が認められるものの保存状態は良好で、県下に数少ない金剛力士像の古例としてその価値は高い。

所在地

小木港から車で10分

問い合わせ先

佐渡市世界遺産推進課
〒952-1209  佐渡市千種246-1
TEL:0259-63-3195   FAX:0259-63-3197

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