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豊岡のビワ群落


 佐渡市豊岡集落(旧両津市)の背後の」斜面にある雑木林の中に、50本以上のビワの木があります。一番樹高の高いもので15m、幹の直径(胸の高さの所)が一番太いもので40cmあり、樹高が10mいじょうのものが15本ほどあります。  ビワは、本州南西部、四国、九州に分布する暖帯性常緑樹ですが、現在日本で栽培されているものは日本原産種ではなく、9世紀ごろにくだものとして中国から渡ってきたものと考えられています。ここのビワも栽培されていたものが野生化ものと考えられてきました。  一方でここのビワは、栽培品種よりも遺伝的に野生のマメビワに近いものであると考えられることから、「栽培品種の野生化群落」と「野生品種の自生地」の両方の可能性があります。  どちらにしても、これだけのビワの巨木がまとまっているのはたいへん貴重です。  

指定:県
種別:記念物(天然記念物)
員数:5,947平方メート
所有者・管理者:個人所有
指定年月日:平成16年3月30日

詳しい解説

 佐渡市豊岡集落(両津地区)背後の海岸丘陵上の50度程度の斜面に、亜高木層にシロダモ、スギ、.マタケ、林下にはヒサカキ、ウラジロカシ、イタビカズラ、テイカカズラどの暖地系の常緑樹が混在する雑木林の中に50本以上のビワが点在している。そのうち、一番樹高の高いもので15m、胸高直径が一番太いもので40cmあり、樹高が10m以上のものが15本程度を占めている。  ビワは、本州南西部、四国、九州に分布する暖帯性常緑樹であるが、現在日本で栽培されているものは日本原産種ではなく、9世紀頃に果実として中国から渡来したものと考えられ、当地のビワも栽培されたものが野生化したと考えられてきた。 その理由として次の2点があげられる。①江戸後期から果木として全国的に栽培れ、佐渡でも当時の文献からそのことが確認できる。②地元では中村家の祖先が遍路で四国方面に赴いた際、数本の苗木を持ち帰り、墓地付近に植えたのが起源と伝えられている。  一方で同地のビワの品種は、栽培品種よりも遺伝的に野生(マメビワ)に近いものあると考えられる。その理由として野生品種の特性から以下の3点があげられる。 ①果肉の橙色と白色のものがあること。 ②果実の大きさが10g以下であること。 ③密生せず点在混生していること。  以上のことから本物件は、「栽培品種の逸出野生群落」と「野生品種の自生地」の両方の可能性が考えられる。  「栽培品種の逸出野生群落」として見た場合、ビワの野生化が見られるのは県内は佐渡だけで、またこれだけの量がまとまって見られるのは同地において他になく(佐渡沿岸部に点在するビワのうち、他所は1~数本程度の規模)、ビワの北限巨木としても貴重である。また「野生品種の自生地」として見た場合、山口県から福井県にいたる日本海の島々、福島県、岩手県と佐渡に分布するのみで、全国的に見ても稀であり、野生ビワの巨木としても、遺伝資源的に大変貴重である。

問い合わせ先

佐渡市世界遺産推進課
〒952-1209  佐渡市千種246-1
TEL:0259-63-3195   FAX:0259-63-3197

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