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新潟県生涯学習協会

会長コラム紹介「ニーバの祈り~令和3年に込めるもの」

※ この情報の掲載有効期間は終了しています

みなさん、こんにちは。

コロナ禍をいかがお過ごしでしょうか。

令和3年度にあたり当団体会長の会報連載コラム「ひつじ雲 第5回」をお届けいたします。イラストも会長画です。

目を通された感想などをお寄せください。

タイトルの「ニーバの祈り」とはアメリカの神学者ラインホルド・ニーバが作者とされる、当初、無題であった祈り言葉の総称です。

 

平山 征夫 会長コラム ひつじ雲 第5回

「ニーバの祈りー令和3年に込めるもの」  

  新しい年が明けた。令和3年だ。年号が改まってから「令和」に相応しい年はなかった。今年こそ令和らしい年にと願うばかりだ。    と言ってもコロナ禍は猛威が続いたまま年越ししており、ワクチンが普及する夏前までは収まらないだろうと見られているから、本年も前半は緊張を強いられるだろう。新年に当たり私は「本年中にマスクの着用やディスタンス保持不要、更にはハグもOKになること」を秘かに初詣の願に掛けた。手洗いは続けた方が良いけれど、他のことは必要なくなる方が良い。とくに感動した時自然に出る握手やハグは自然な感情表現として取り戻したいと願っている。  

  新しい年を迎えて気分を一新しようと色々考えていたら、ふと昨年聞いて気になっていたCMが浮かんできた。それは草刈正雄が朗読するある滋養酒のCMで、我々には懐かしいラジオ体操の歌の歌詞だ。「新しい朝が来た 希望の朝だ 喜びに胸を開け 大空仰げ…」。聞いた途端メロディと共に子供の頃夏休みの朝通ったラジオ体操が思い浮かんだ。夏の早朝の爽やかな空気と戦後の貧しかったけれど平和を取戻し希望に満ちた空気に溢れていた。あれから70年近くが経ったが、今あの日の空気は今は流れていない。  

  この歌と対のように更に「朝だ 朝だよ 朝陽(ひ)が昇る 空に真っ赤な陽が昇る みんな元気で元気で起きよ・・・」(「朝だ元気で」)と「朝は何処から来るかしら あの山超えて雲超えて 光の国から来るかしら いえいえそうではありません それは希望の家庭から朝はくるくる・・・」(朝は何処から)の二つの歌も思い出した。前者は戦前戦意高揚の「国民歌謡」として作られたものを戦後少し歌詞を変えたもの、後者は戦後広く国民から募集した歌詞に橋本邦彦が曲をつけたものだ。最初のラジオ体操の歌は実は戦前からあったが、これは戦後藤浦洸作詞、藤山一郎作曲で作られた3代目の歌だ。確かに「朝」は希望に満ちたこの時代を象徴するのに最もピッタリの言葉だ。だからこんなに「朝」が歌詞に出てくる歌が歌われたのだろう。では今、私たちは何を謳えば良いのだろう。これと同じピッタリくる歌はないけれど、いつの時代でも若者に一番必要なのは希望だろう。持ちにくい時代ではあっても、気持は持ちようだ。身近なところにささやかでもよいから希望を見出し、今年の目標にして欲しい。「コロナの向こうに希望を!」と言いたい。そんな時、私が大事にしている「ニーバの祈り」も併せて思い出して欲しい。


 神よ 変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我に与えたまえ。 変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。 そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。

2021年2月5日更新
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