U 「新潟ふるさと学習」のプログラム |
1 「新潟ふるさと学習」の目的と役割 前述の現代的課題の例として、地城の連帯やまちづくりがあがっているが、推進プランの 中でも、「県民一人一人が主体的に地域特性に密着した学習を展開することにより地城を 再発見し、学習成果を地城社会の活性化や特色あるまちづくりに生かす」ことを強調し、そ のために、本県固有の学習資源を活用し、県民が郷土の豊かな自然や歴史、文化を見つ め直す学習の機会が必要なことを説いている。そして、このような学習機会を「新潟ふるさ と学習」と呼んでいる。 一方、当県では平成4年度に開学した「いきいき県民カレッジ」のコースの一つに「新潟ふ るさと学コース」を設定し、市町村や関係機関との連携協力を図りながら、「新潟ふるさと学 習」に関する学習機会の提供を促進しているが、今後さらに講座を充実していくことが求め られる。さらに、「新潟ふるさと学習」についての学習プログラムの研究・開発を行い、市町 村等への支援を行うとともに、より質の高い学習機会の提供に努めることが課題になって いる。 なお、推進プランでは、「本県固有の学習資源の活用」として次の4点をあげ、関係機関 が「新潟ふるさと学習」に関する講座を開設する際の手掛かりを示すとともに、より多くの 機関で「新潟ふるさと学習」に関する講座が開設されることを期待している。 ア 地城に密着した学習の展開 イ 個性あふれる地域文化の再発見 ・美しい農山漁村の景観 ・食文化 ・祭りや伝統芸能 ウ 稲作農耕文化の継承 ・古くからの穀倉地帯 ・信濃川などの豊かな水体系 エ 雪文化の創造 ・新たな視点で見直されている雪 2 現状と課題 平成5年度いきいき県民カレッジの「新潟ふるさと学コース」には31講座が参加してい る。それらの講座の内容はつぎのとおりである。 ・郷土の人物を専門的に取り上げているもの ・古文書や文化財、史跡、遺跡、旧街道などを通して、郷土の歴史を取り上げているも の ・地域の動植物、地質など自然を取り上げているもの ・くらしや芸能を取り上げているもの 31講座、それぞれに地域固有の素材を学習の題材として取り上げ、講義や古文書の解 読だけでなく、巡検、見学、記録・保存などの実習も取り入れている。 しかし、いきいき県民カレッジに参加している「新潟ふるさと学習」に関する講座は、県内 全域で行われているもののすべてを網羅はしてはいない。ほんの一部である。カレッジの 場合、「おおむね20時間以上で継続性のあるもの」という条件がついているため、数が限 定されているからである。県内の新潟ふるさと学習に関する学習機会はさらに多く、しかも それぞれの地城にある固有の素材を生かした取組がなされていると考えられる。 県としては、これらの取組を奨励するとともに、今後さらに「新潟ふるさと学習」に関する 講座が県内各地で開設され、充実するよう、学習プログラムの研究・開発を行い、市町村 等への支援を行っていきたいと考えている。 |