慈恩大師(じおんだいし・632~682)は、中国の唐時代の有名な僧侶です。大師の像は、大師の命日に行われる慈恩会に本尊として掲げて供養するものです。この大師像もその一つで、たて104.3センチメートル、横40.3センチメートルあります。この図が描かれたのは鎌倉時代末期と推定されています。
指定:県
種別:有形文化財(絵画)
員数:1幅
時代:鎌倉時代後期
所有者・管理者:法光院
指定年月日:昭和47年3月28日
詳しい解説
慈恩大師(632~682)は唐の玄奘(じょう)三蔵の弟子で、学識の誉高く、法相宗の祖と仰がれる高僧である。大慈恩寺に住したのでその号がある。大師の肖像は中国で広く崇められ、我が国でもその忌日に行われる慈恩会に本尊としてかかげて供養した。 本図もその遺影の一つである。縦104.3センチメートル、横40.3センチメートル。 大師像の古い形式を伝えるものとしては、平安時代の興福寺の立像図(重要文化財)や同じく薬師寺の坐像図(国宝)があるが、法光院本はそうした伝統様式を踏襲しながらも、姿態や法衣、手相などに新しい着想がみられ、鎌倉末期の作と推定される。図上の色紙形賛文も興福寺本に原形がある。 法光院は真言宗に属し、すでに指定されている三千仏図などともに同寺の由緒を伝える貴重な資料である。
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