学名をニッポニア・ニッポンといい、東アジア特産の鳥です。むかしは、日本でも全国各地にいましたが、明治時代からどんどん少なくなり、最後の生息地佐渡のトキも1羽(キン)になってしまいました。そこで、トキを増殖するため中国からつがいを寄贈してもらい飼育しています。 その結果、増殖事業が成功し、現在は39羽ほどに増えました。今は、佐渡トキ保護センターで飼育されていますが、今後は、トキを自然に帰すことが課題になっています。 なお、「キン」は平成15年10月10日、推定36歳で死亡しました。
指定:国
種別:記念物(特別天然記念物)
所有者・管理者:新潟県
指定年月日:昭和27年3月29日
詳しい解説
トキは東アジア特産の鳥で、学名はニッポニア・ニッポンで、一属一種の珍鳥である。白い鳥で、頭部は冠羽があり、顔は朱色、くちばしはゆるやかに変曲した黒い円筒形で、翼の下面と尾羽は美しい淡紅のいわゆるトキ色である。 佐渡郡小佐渡山脈の北端に近い国見山付近一帯が生息地で、昭和50年代初には10羽ほどが生息していた。当時、その保護増殖をすすめるため、生息環境および餌場の確保、保護監視、給餌などによる自然繁殖と、昭和42年に建設した新穂村清水平の県トキ保護センターにおける人工増殖などが行われたが、トキは増殖せず、野生のトキも減少を続けた。こうしたことから、トキの自然繁殖を断念、昭和56年野生のトキ5羽を一斉捕獲し、人工繁殖を試みることになった。 しかし、トキが高齢であったことなどから繁殖は成功せず、5羽も次々に死亡した。現在、佐渡のトキは、昭和43年に捕獲した「キン」1羽だけである。 平成5年、新穂長畝に現在の佐渡トキ保護センターを開設。平成11年1月に、中国から贈られた「友友」「洋洋」のペアリングが成功し、5月に「優優」が誕生した。その後も毎年トキの繁殖に成功し、現在は39羽ほどになっている。 今後は、トキの数を増やすとともに、野生復帰に向けた生息環境の整備などの取り組みに力を入れることにしている。 なお、佐渡最後のトキ「キン」は平成15年10月10日、推定年齢36歳の高齢で死亡した。
所在地
佐渡市 長岡市
佐渡汽船 両津港から車で20分(佐渡トキ保護センター)
問い合わせ先
佐渡市世界遺産推進課
〒952-1209 佐渡市千種246-1
TEL:0259-63-3195
FAX:0259-63-3197